- 摂社・末社・分社の違いとは?
- 神社には本社に対して摂社・末社・分社などの区別がありますが、摂社・末社と分社では意味合いが違います。分社は本社の祭神の分霊(わけみたま)をいただいて別個に祭る神社のことですが、必ずしも本社(総本社)の支配を受けるものではなく、独立した神社として経営されます。すなわち、石清水八幡が宇佐八幡を本宮として八幡神の分霊を祀っているように、祭神の分霊によって全国の神社を系統別にみることができるのも特徴です。
それに対して、摂社・末社は本社(この場合、独立した神社の義)と関係の深い神をお祀りします、ご祭神を異にすることが多く、なによりも本社の支配を受けます。摂社・末社の区別は昔から混淆して使用されてきましたが、明治に入って一応の規準が示されました。それによると、本社の祭神の后神、御子神、荒御魂、社地の地主神、その他特に由緒ある神を祀っている神社を摂社、それ以外を末社としています。
この摂社・末社には境内に祀られたものと、境外に祀られているものの二種があります。なかには本社よりも有名な摂社もあります。たとえば、〝えべっさん〟とか西宮夷社の名称で親しまれている西宮神社は、天照大神の荒魂(撞賢木厳之御魂天疎向津媛命)をお祀りする広田神社のもともとは境外摂社でした。